*岩手日報 2009/11/11
債権630万円回収に全力 漆芸美術館問題で盛岡市
盛岡市議会(佐藤栄一議長)は10日、議員全員協議会を開き、11月末での閉館を表明しながら一転撤回した岩山漆芸美術館(全(チョン)龍福(ヨンボク)館長)について質疑を行った。市は約630万円の債権回収に全力を挙げる姿勢を示した。
市は9日に行った全館長との会談の概要を説明。全館長は「閉館は考えていない」とする一方「光熱水費がかさみ入館者も減るため、冬期間は閉鎖する」と述べたという。
業績悪化の原因について「名誉館長の韓流スター、ペ・ヨンジュンさんが所属するキーイースト社からの出資が取りやめとなり、同社との提携が困難となった」と説明した。
同館を運営するオリエンタルトレジャー社(社長・全館長)については「キーイースト社の出資が前提の会社であり、解散したい」とし、特定非営利活動法人(NPO法人)などによる運営を模索する姿勢を示したが、具体的な計画は白紙だ。
市は8~10月の賃料(約150万円)と保証金(約150万円)、ふるさと雇用基金の前払い金(約330万円)の合計約630万円について、20日を期限に返済計画書の提出を求める。
同基金の前払い金は2人を新規雇用する予定で交付されたが、同館は1人も採用していない。同館関係者は岩手日報社の取材に対し「前払い金は職員給与などに流用された」と証言しており、市は公金が適正に使われたか今後確認する。
池田克典副市長は「契約をきちんと履行していただくため、あらゆる手段を講じる」と、債権回収に全力を挙げる姿勢を示した。